7日間?犠牲者?殺害?天国?現世?
どういう意味だ。理解できない。7日のうちに犠牲者を選出し、殺すことで生き返ることができる。・・・・・・生き返る?つまり俺は今生きていないのか?どういう意味だ。
思考を不意に中断させる。
ここはどこだ?何故自分はここにいる?建物の中か。何故か恐怖を生む。自分が何であるかわからなくなる気がする。
俺は、宮田晴樹。俺は、ドライブをしていたはずだ。そうだ、ドライブに行ってたはずだ。美穂と詩音と。

美穂?詩音?

瞼を開き見渡すとその名の女性が二人倒れている。つまり、俺達は拉致されたということか?それは馬鹿過ぎる予想か。ここは神社の中だ。閉じ込めるなら境内の本堂の中にすればいい。

そういえば何故、鳥の声が聞こえない?うるさいせみの鳴き声は?車が走るエンジン音は?
聞こえない。
聞こえない。
聞こえない。
静寂が支配している。聴覚を刺激するのは自分の呼吸だと挙動から生じる音だけ

この世界は生きていない。
いわゆる死後の世界か?

自分だけが孤独に存在する世界に思える。

「美穂。おい美穂。」
肩を揺さぶっても起きる気配がない。
死んでるのか?いや、まさか。
「晴樹君・・?」
そう発したのは詩音だった。
「詩音!」
「・・・ここどこ?」
至極当然の疑問だ。もちろん自分もその応えは知らないが。
「・・・・わからない。気づくとここにいた。」
「気づくと・・・って・・・何それ。」
「俺達・・・ドライブに行ってたよな。白樺にさ。遊びに。」
「うん。」
記憶を辿り寄せる。
SAで休憩した俺達は・・・長野のインターチェンジを下りた。
長野の広大な自然が印象的だった。

そして。

「俺達は・・・死んだ・・・・のか?」

大型の・・・トラックの圧力に潰されて。

「うん。・・・・・・・・多分。」

沈黙が支配する。理解できないから思考をフル活用して今の現状を把握しようとしているんだ。

俺達は・・・死んだらしい。