何故。自分が今死神をしているのかは、きっと望んだからだ。俺は祐を殺したことを許してない。
だからもっと苦しむことを決めた。
人間の醜い部分を見て自分が弱くないと思いたかったのかもしれない。
どちらにせよ、ヒトを裁き続ける自分は罪深いと思ってる。
もっともっと壊れるべきなのだ。
ヒトは、汚い。
自分も。
「なに考えてるの?」
不意に声をかけたのはルーと言う名の死神だ。
「別になんでもない。」
多分こいつには理解できないだろう。世界を恨みヒトを恨み死神をしてるこいつには。
「なんでもないって無愛想だなぁ・・・。怖い顔してたのに」
「少し色々と考えてただけだ。で、今回の魂はどうなんだ?」
「んー・・・面白いと思う。」
「面白い?」
「彼らは哲学的だよ。」
「哲学的?別にいつもと変わらない気がするが」
こいつの言うことはたびたび理解できない。
「そうでもないよ。自分を優先するわけでもなく、かといってそれを行動に移すわけじゃない。こいつらは悩んでるんだ。そういう意味合いで彼らは面白いと思うんだ。」
「いつもと一緒じゃないか。時間が迫ると結局、自分を優先する。その後に罪悪感に負けて自殺するか、それかどこかおかしくなってしまうだけじゃないか。」
俺のように。俺は罪悪感に負けて自殺した。ヒトを・・・・大切な存在を犠牲にしてまで生きれない。これはきっとエゴなのだろうが。生きれないくせに殺したのだから。