死んだ。

違う。

殺した。
殺したんだ!俺は。実の弟を殺した!
涙が溢れる。手が震える。

何で?何で殺した?

大切唯一な弟を。

動きを止めるために撃った?そして、また殺されそうだったから撃った?

違う。

そんな理由じゃない。

俺が祐を殺したのは、絶望したからだ。横たわる死体は祐か?いや、それとも祐だったものか?

俺の弟だ。

殺したのは俺。








死ねばいい。こんなやつ。
俺を差し置いて生き残ろうとした。
でも。
俺はこいつを殺してまでは生きようとは思わなかった。
じゃあ、この結果は?

祐。ごめん。すぐ追いつくから。

痛かったよな。

再び銃声がした。
そして動くものはこの切り取られた世界から消えて、その世界の存在意義を終えた。