「ごめん。そんなつもりはなかったの。許して。美穂。けど・・・私達はこの問題を直面していなきゃ、ダメだと思う。」
期限が七日間だから。とは言わない。
「・・・犠牲者・・か。気分が悪いな。これじゃあ生き残っても・・・気分が悪い。」
「そうだね・・・・美穂はどう思う?」
「・・・わからない。死ぬのは嫌。けど・・・晴樹君の言うとおりでも有ると思う。詩音や晴樹君を殺すなんて・・・そんなことできない。」
少し声が落ち着いた美穂が必死に言葉をつむぎだす。

誰も「犠牲者を選ぼう。」と言わないのは怖いからだろうか?本当に信頼関係があるからだろうか?

疑ってはいけない。晴樹君も美穂も大切な人。

大切?大切だから何?

私は私が大切じゃないの?

自己犠牲で自分が彼らの犠牲になって・・・死ぬ。

死ぬんだよ。彼らを生かすために。

私が。

受け入れれない気がする。二人ともそう思ってるのだろうか?疑われているんだろうか?
「ねぇ、二人とも。」
不意に投げかける質問を飲み込んだ。「二人はどう思ってるの?」と言う言葉を。
「何だ?詩音。」
「・・・何も。ちょっと。」
「ん?詩音・・?」
怪訝な目をする二人。

ごめん。一挙一動が怖いよ。二人とも。
私、殺される?