彗の大粒の涙と違い、静かに流れ落ちる切なげな涙。


「何で…双子に、生まれたのかな…」

「僕だって双子じゃなければって思った…」

「双子じゃ、なければ、辛くなかったのに」


辛くなかった。


二人は血の繋がった肉親。


でも、その言葉の意味は…


「けど、双子じゃなかったら出会えなかっただろ!!」

「だけど、想いに素直になれたはず、だよ」


言えない想い。


それは彗の中にもある。


絶対に言ってはいけない想い。


それを言えば今迄の大事な関係が崩れ落ちる。


だから言えずに隠した。