addiction to you~想いが繋げる恋心~



胸が高鳴る




この感情は何だろう





判らないまま、時は少し流れた










stage0 恋の始まり











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夢を見た。


いつも傍にいる人がいなくなる夢を。


怖かった。


追いかけるけど、彼はいない。


何処を捜しても見つからない。


そんな、嫌な夢だった。










目を覚ますと、夢だとやっと判った。


その感触はとてもリアルで現実かと思うほど。


けど、彼は約束してくれた。


″コレからも傍にいてやるよ″


その一言がどんなに安心にさせてくれただろう。


あの日から、胸が高鳴るのが多くなった。


でも、しばらくすれば高鳴りは納まるのでさほど気には留めていない。


高鳴りが起こるのはいつも新川と一緒にいる時。


理由は判らない。










そんな事を考えていると、前に彼を見つけた。


「新川」


振り返ると静かに微笑をくれる。


その優しい表情が心を癒してくれた。


「秋津が捜してましたよ」

「そっか。サンキュー」


そう言うと走って何処かへ消えた。


姿を見届けると、何故か心が寂しくなった。


この気持ちは何だろう。











胸が高鳴るこの気持ち。


少女は気持ちの正体に、まだ気付いていなかった。













stage1 突然の来訪









 +*+


此処は四葉寮。


姫達は広場でのんびりしていた。


本を読む者をいれば、寝ている者もいる。


とにかく、平和だ。


姫はソファーで幸せそうに寝ていた。


寝息が聞こえる。


普段から可愛い姫だか、寝ている時の無防備さは半端ない。


その傍で、ソファーに寄り掛かりながら寝ているのは彗。


やっぱり、パッと見は女の子。


けれど、中身は腹黒ボーイ。