「ミキっ」
目線を向けると明輝があたしに向かって手を振っていた。
「おはよー明輝」
軽く手を振って明輝のもとへ歩み寄った。
「ミキっミキっ 1組に転校生だって」
明輝は目を輝かせて、一緒に見に行こう!と視線で訴えているようだった。
「‥見に行く?」
明輝は頷くと同時にあたしの手をとって1組の方へと歩きだした。

1組は見に来た人で賑わっていて明輝の隣に居る事が精一杯だった。
「ミキ、見える?」
「ううん、見えない」
「強行突破で行きますかっ」
そう言うと明輝はあたしを巻き込んで前へ前へと突っ込んでいく。
周りからの視線をお構いなしに、明輝はぐいぐいとでていく。

「おっ、あれじゃない?」
「え、どれ?」
「ほら、壁側に立ってる人」

――これが、貴方との初めての出会いだった。

「見えた?」
「ううん、わかんない」

――本当は見えてたの。

「えー!ミキ目悪すぎ」
「ははっ そろそろ鐘鳴るよ、教室戻ろ」

――一瞬にして目があった

「うん」

――気づいてたよ