何度も何度も。

傷口目掛けて拳を打ちつける艶。

俺はその度に呻き、血を撒き散らす。

流石に限界だった。

「…つまらないですね…もう終わりですか?」

力なくグッタリとした俺を片手でぶら下げたまま、艶が失望したように言う。

人の腹に風穴を開けておいて、もう終わりかなどとよく言えたものだ。

「まぁいいです…後もつかえている事ですし、この辺で終わりにしましょうか」

艶が俺の体を床に下ろす。

とどめを刺そうとしたのだろう。

その瞬間に隙が生じる。

俺は。

「き…きゃあぁぁああぁぁあぁっ!」

艶の首筋…頚動脈付近に食らいついた!

彼女の両肩をガッチリと掴み、肉食獣並みの咬合力で艶の首を咬む。

それこそ、獲物を仕留める獣が喉笛を噛み千切るような感覚だった。