艶は尚も容赦がない。

倒れたままの俺の腹を踏みつける!

踏みつけるだけならまだしも。

「がはっ!」

艶が全体重と全力を込めて俺を踏みつけ、その結果、彼女の足が俺の腹を貫いた!

完全に貫通する艶の右脚。

口の中に生温かい鉄錆の味が広がる。

更には腹部の傷からも大量の血液が溢れ出していた。

「まだ死にはしませんよね?何せ亜吸血種…とりわけ堕蓮持ちは化け物ですから…」

足を引き抜いた艶は、俺の首を掴んで持ち上げる。

華奢ながらもその力は常軌を逸している。

明らかに彼女よりも大柄な俺を片手で持ち上げ。

「ぐっ!」

既に穴の開いた俺の腹に拳を叩き込む!

喀血と流血。

飛び散る血が艶の顔を真っ赤に染める。

その血液に、彼女はその名の通りの艶やかな笑みを浮かべた。