俺も同じだった。

艶の髪を鷲掴みにして、頭突きを見舞う!

無表情ながらも端正な艶の顔が血に染まった。

そのまま頭から床に叩きつける!

そしてその頭を踏みつけようとするが、彼女は素早く床を転がって回避した。

…楽しい。

やりにくい相手だと思う反面、艶との闘争は楽しかった。

堕蓮持ちとして、こんな心踊る相手はいない。

同じ堕蓮持ちなのだ。

本気を出せばすぐに壊れてしまう、脆弱な雑種とは違う。

全力で殴っても、蹴っても、全身を紅に染めたまま立ち上がってくる。

当然だろう。

こいつは俺と同じ頑丈さを持つ化け物。

殺戮衝動に駆られて俺を殺しにかかるケダモノなのだから。

俺もまた、『エゴ』のままに艶との殺し合いに愉悦を感じていた。