事件は既に始まっていた。

そう……

私のすぐ隣で。








――――――
――…



「集会で頭がいっぱいで考え忘れてたんだけど…」

「うん?」

そーいった私の言葉に緑は聞き返した。

「私って、イジメられてんのかなぁ?」

「多分な…」

うわ、即答…

「でも、俺が守っから。」

「そ、ちゃんと庇いなさいよ?緑はドジだから。」

「……」

「そーれーにぃ!副会長だから今日の生徒朝会の司会よろしくー♪」

「朝会?司会?」

「そーうだぁ♪ね、緑!今日朝会終わったら授業サボって役員の皆でファミレス行こうよ!♪」

「そんな訳いくかよ!」

「きーまりぃ♪じゃ、緑!司会頑張ってねん!♪」

「あ、おーい!」


私はそう叫んでいる緑にも目を呉れず廊下をスキップした。



ズテンッッ






危うく転倒……


この私としたことがっ!!
めっちゃ格好悪いじゃん!!!



「おい!大丈夫かよ、膝擦れてんぞ!?」

「い……、だ……大丈夫だし!私は不死身だし!」

「血ぃ出てんぞ?それに早口で喋っと舌噛むぞ。」




「あ…!」


すると、同じクラスでご存知の坂本さんが通りすがった。

「緑くん大丈夫?揺岐さんに何かされたんですか?」



あーもー緑の奴いつまで私に肩を組んでる津守なんだ!?
しかもあの坂本さんは何なのでしょーかねぇ!!!!!



「うるせ!緑は早く朝会行って!司会やんだから!」

「はぁ?マジでか!」

「マジよ!」




私が命令すると緑は不満そーな態度をとり、去っていった。



「揺岐さん貴女、緑くんにあんな態度………何様のつもり?」

「…ただ副会長の務め。」

「ふぅん。納得いかないわね…」

「あっそう。でもアンタ等には関係無い。」

「…気にくわないわ。」

「こちらこそ。」

「ふん、生意気ね貴女。これじゃあ……」


坂本さんが言うと背後から男三人が現れた。


「苛めがいが有りそう…」