『まだかなぁ?』

屋上に入っとくか…
          
『寒いっ!』

そりゃぁ、もう冬だもんなぁ。

『亜夢?』

『ダイ!話ってなに?』

実は、期待してた。

『俺…』

期待が高まる。

『お前に、手伝って欲しいことがあるんだけど。』

えっ?

『手伝って欲しいこと?』

『嵐沢って知ってる?』

嵐沢?嵐沢由愛子(あらざわゆめこ)かな?たしか、ダイのななめ後ろの席の子だ。

『知ってるよ。あんまり喋らないけど…』

嫌な予感…。

『俺、嵐沢が好きなんだよ。』

スゥー

血の気が引いた。

『そ、それで?』

涙が、流れないように。必死でがまんした。

『告るの、手伝って欲しいんだ。』

『う、うん』

思わず、涙声で言ってしまった。

『あ、アタシ、嵐沢さんのアドレス知ってるよ。』

『マジ?教えて!!』

『うん。』

それから、どう会話して、教室に戻ったのか覚えてない。

『黒井さん?由愛子です。よろしくね。』

嵐沢由愛子…

『大丈夫?亜夢ちゃん?』

キキタクナイ。ダマレ!!

『どうしたの?悩み事?』

ガマンデキナイ!!

『うるさい!!!』

ヒステリックに、叫んだ。

授業中にもかかわらず…。だが、先生はいなかった。

『おいっ!どうしたんだよ。急に…』

あの女の、言葉が頭にずっと響いてた。

『…。フッ。』

『亜夢?』

キーンコーンカーンコーン

『亜夢?どうしたのよ?』

『沙矢…』

『亜夢ちゃん。話があるの。』