理事長室の前を歩くあたし達。






「…留学って…長期なのかな…?」


「だろうな。」



「じゃあ、もう友達とかにも会えなくなっちゃうのかな…?」


「そうじゃね?」





愁斗は欠伸をしながらあたしの話を聞いている。





「…愁斗はそんなのなんとも思わないの?」



「しょーがなくね?これが俺たちの運命なんだし。」



「…なんか…昨日の夜とは優しさが半端なく違うんだけど。」



「当たり前だ。泣き言を聞くのは昨日だけだったからな。」



「これは泣き言じゃありません。相談事ですー。」



「へいへい。」



「婚約者にそんな冷たいのかい。」



「…さぁ?」



「あーむかつくー!」



「はいはい。」