「…あのね、あたしの病気は癌なの。」

「え…!」

「それで、普通は抗がん剤とか手術とか、癌がわかった時点でそういうことするじゃん?でも、あたしの癌は見つかったときにはもう遅かったの…その…末期の状態だったの…」

「え?じゃ、じゃあ、今も…?」

「そうだよ。あたしの体、今すごいことになっててね。最初は、肝臓、次は腎臓…今は…転移してないところあるのかな?肺にも転移してるからたまに呼吸が苦しくなるんだよねー…」

「ま、待って!!でも、なんで?なんで、その…抗がん剤とかしてないの?」

「それは、あたしが嫌だって言ったから。だって、手術しても直りません。って、お医者さんに言われたんだもん。なのに、抗がん剤治療って意味あんの?って思ったから。しかも、副作用とか超きついらしいし…髪の毛抜けちゃうのは嫌だし…だから…かな?」

「じゃあ…ルリは…もう…」

「ちょっと!暗い顔しないで!!あたし一人がこの世からいなくなったってそんなに悲しむ人なんていないから!」




ぐいっ!

「っきゃ!…ケイ?」

「…んで…」

「な、なに?」

「なんで、んなこと言うんだよ!」

「え?」

「なんで、この世からいなくなるとか言えるんだよ!…」

「ケ、ケイ…」

「頼むから…そんなこと言わないでくれ…」