そして、ティックが戦場へ行くことが決まって当日

『なんだよ、ティック。』
『俺が無事に帰ってくるまでこの楔を預かってくれ。後エルメルを守ってくれ。』

俺は時の秒針の所へ行き祈った。

『どうか、ティックの時を止めてくれ。頼む。』
と・・・・。

それは叶った。

ティックは戦場で戦いを始めていた。
だんだん周りが人でいっぱいになる。
死んで血を流して倒れている。
その時だった。なにかが、ティックの胸を貫いた。

グサッ ポタ・・・ポタポタ。真紅の血が川のように流れ落ちる。
バタリ。ティックは倒れて、何かをつぶやいた。

『エ・・・エル・・ル・・・ゴメン・・・。』と・・・。

そして・・・彼は死んだ。

その胸を貫いたのは、敵の矢でもなく、見方の矢でもなく、
時計台にあるような、大きな秒針の形をしていた。