「でもね、でも。もし、あたしがアイちゃんの幼なじみじゃなかったら、きっと、今あたしの周りにいる子みたいに、しちゃう。」
深く、酸素を吸い込んで次を紡ぎ出す。
「アイちゃんは自分で自覚してるのか、してないのかは、分からないけれど。アイちゃんには、人を惹き付ける魅力があるし、とってもカッコいい。だから、少しでも近付きたい。」
アイちゃんの表情が読めない。
何を思ってるんだろう…。
「天の上にいるんだよ、永田藍って人は。あたし達は地上に居るから、手の届かないものに、憧れる。だから、分かる。」
何も答えてくれない、彼は、黙って俯いてしまった。