他学年にも人気者な彼のおかげで、登下校を共にするあたしの事も、直ぐに先輩達に広まってしまった。

休み時間になる度に埋まる窓に入り口。

あたしを見に来る人達が、途切れたのは入学式が終わって、始業式が終わって、1週間以上経ってからだった。


そして、どんなに、説明しても信じてもらえないあたしの話が、初めて信じてもらえたのは、彼が、あたしが必死に説明してる姿を見た時だった。


鶴の一声、とは将にこの事で。

「めぐは、俺の大切な妹みたいなものなんだ。だから、そんなに攻めないでやってくれる?」

そう言った彼に、皆何も言えなくなって。
それからは、質問攻めにされる事も無くなった。

変わりに、みんな、ちゃんと仲良くしてくれて、なんとかクラスにも馴染めた。
彼に、みんながきゃーきゃー言うのも多くなった気もするけど。