「転校したい?」

「うん。」

変わらぬ沈黙を打ち破るように、わたしはお母さんに言った。

「そうやって、いつも嫌な事から逃げるのね。」

「違うの、そういうわけじゃ、、、」

言葉がつまる。

「まぁ、いいわ。後で手続きは済ませておくから。それより吏緒。早くご飯食べて。塾間に合わないから。」

意外とあっさり終わった会話になにか物足りなさを感じるが口には出せない。

「ごちそうさま。」

かたん、とイスから立ち、自分の部屋へ。

「はぁ、、、」