…そう言いながら、冴子はしがない私立探偵のジョーに女子からの手紙を渡した。

「…どれどれ~?」

「!!…」


『~未遂探偵Jさんへ~

お久し振りです、お元気ですか?

時が経つのも早いもので、彼が気を失って倒れてしまい一緒に病院まで搬送してもらい、意識を取り戻すまで約1日…それから2週間、病院で安静にして、先日無事に退院することが出来ました。

少しずつではあるのですが、彼の心が『今』に近付いて来ています。

…ちょっぴり遅れてしまいましたが、新しいスタートを切れたみたいです。

…でも、ちゃんとお姉ちゃんとの記憶は彼の心の中で優しく寄り添ってるみたいです。

これでようやく、お姉ちゃんも安心して空の上から彼の事を見守れるのではないのかな?と、思っています。

ちなみに、私も彼の前では美沙ではなく美香として受け入れてもらえるようになりました。

これも全てJさんのおかげだと思っています。

また落ち着きましたら2人で探偵事務所に遊びに行かせて下さい…

それでは、失礼します。

~寄島美香~』