…そう言っているジョーの言葉に割り込むように笹倉が…

「…Ｊさん…、そろそろやめましょうか…僕としては、人質交換をする為にあなたをここに呼び戻しただけなんですから…」

そんな笹倉の言葉に溜め息を吐くようにジョーは…

「…可笑しな話だな…数時間前まで大切な恋人って言ってたはずなのに、急に人質呼ばわりとはな…」

ジョーはそう言いながら、胸ポケットにしまっておいた寄島美香が使っていたナイフを取り出し、笹倉に刃を向けた。

「…なんのつもりですか？？この状況からすれば、あなたは自分の後ろにいる美沙にナイフを向けるのが普通だと思うのですが…」

「…フッ…こういう場合に普通も普通じゃないもあるかよ。…それにオレの後ろにいる女性は寄島美沙でもなければ人質なんかでもない。…寄島美沙の妹の『寄島美香』さんだ…」