「…あの…これは?…」

ジョーはその破られた紙に目を通すなり笹倉に声を掛けた。

「…はい…誘拐されたのではないかと思うんですっ…」

笹倉はくちびるを噛み締めながらジョーに言った…

(……)

今にも泣き出しそうな笹倉にジョーは…

「…あの…ちなみに、この紙を笹倉くんが見付けた時にはすでにクシャクシャになって『助けて』と『寄島美沙』の紙が元々破られていたのですか?」

「えっ?あっ…はい…」

「…そうですか…」

ジョーはクシャクシャの2枚の紙をテーブルに起き腕を組んで黙り込んだ。