…名前…。そういえば…


「君の名前は…?」

「あれ?私…名乗ってなかった…?」

「うん。俺に訊いただけだよ。」

「天羽紀紗。(アマバネキサ)1年。」

「1年!?なのにあんなに…上手い…?」

「特待生だし私。当たり前。」

「特待生だってよっぽど優秀じゃなきゃあんなには弾けない…。」

「そうなの?
まぁ、私、蓮上司(レンジョウツカサ)の妹だから…。」

「れ…んじょう…つかさ…?」

「そう。
蓮上司は私のお兄ちゃんよ。」





頭の中で一瞬彼女の言葉が凍った。
…蓮上司…その名前は知っている。いや、知らない奴なんていやしない。





「蓮上司―――――!?」