「え?」


やべっ…声出しちまった。
今のため息で気付かれたのか…?
俺、今なぜか泣いてるんだけど。
あなたの演奏で泣きましたとか?
言えねーだろ…。普通。


「誰かいるの?玲?」


玲…?誰それ?


「誰って聞いてるんだから素直に答えてよ。」


ガラッとドアが強引に開けられた。


「!?」

「あなた…誰?」


俺の目に飛び込んできたのは怪訝そうな顔で俺を見つめる、見た目中1くらいの女の子。
色白で華奢なせいか、あんなタッチで弾ける人にはとても見えない。