「え…?」

「君っていうのはもちろん紀紗のことだけど。」

「えぇ!?」

「そんなに驚くことかな?
だって俺が夢に見るような相手は紀紗しかいないのに。」

「ちょっ…そんなこと、真顔で言わないでよ!!」

「じゃあどんな顔して言えばいいのさ?」

「っていうかそもそも口にしないでよ!!そんな恥ずかしいセリフ…。」


そう言いながら顔を真っ赤にする紀紗。
そんな姿が可愛くて可愛くて仕方がない。


「紀紗。」

「なに…?」

「俺へのプレゼントだと思って、この曲を弾いてくれない?」

「え?」

「そんなに難しい曲じゃないからさ。
ってか俺が難しい曲なんて作れるわけないし。
お願い!!つーか頼む!!これ、弾いて!!」

「…私だけクリスマスプレゼント貰うってのも…なんか不平等だもんね。
でも私が弾くだけで…いいの?」

「うん。それで充分だよ。」


本当に充分だ。
俺はモノなんていらない。
欲しいのは君が奏でる音。
願うのは君がそばにいてくれることだけだから。