「悠夜?どうかした?」

「あ、ううん。なんでもない。」

「そう?」

「ていうかどうしたの、今日…。
こんな場所に呼び出すなんて…。」

「あ…そうそう。
紀紗に渡したいものがあったんだ。」

「渡したいもの?」

「そう。
クリスマスプレゼントってことで…コレ…。」



俺は昨日まで書いていた楽譜を差し出した。



「あ、今日クリスマスイブかぁ…。
言われるまで気付かなかったよ…。
で、楽譜…?誰の…。」

「俺の曲だよ。
紀紗にあげる。というかプレゼントする。
いらなかったら捨てていいし。」

「え?いっ…いらないなんてこと、あるわけないじゃない!!
ありがたく…いただきます。
この曲、タイトルは…?」

「『君の指先に夢を見て』」