「姉のような存在ってことは、血縁関係はないってことですよね。」

「まぁ、そういうことになるわ。」


いやいや…普通にないだろ?
心の中だけでツッコんだ。


「あなたはね、司が亡くなってから一番最初にできた紀紗の友達なの。」

「え…?」


…ってことは今まで紀紗は…『独り』だったのか?


「紀紗って自分のこと、何も話さないでしょう?
あなたが紀紗のところに来るようになって…もう1週間は経ったわよね。
なのにあなた、紀紗のことほとんど何も知らないんじゃない?
誕生日、血液型、家族構成、趣味…紀紗の好きなものとかね。
まぁ知ってたから友達で、知らないから他人とかって言いたいわけじゃないんだけど。
だからこそ私が補足しに来たってことで。」

「補足…ですか…。」


急展開すぎて全然ついていけないのが正直なところだった。
補足って何だ?別に俺が聞けばいいだけの話だろ?
それに、本人から聞かないというのもなんだかひっかかる。
だけど…紀紗から聞けるかどうかは分からないとも確かに思う自分がいた。