それから月日はあっという間に流れた。

紀紗の誕生日の2月16日も盛大にパーティーを開いてやりたかったんだけど、留学が近づくにつれて目まぐるしく忙しくなった紀紗をつかまえることができなくて結局やれなかった。


紀紗の素直な気持ちを聞くことができたあの日から、俺も紀紗もなんだかすっきりとした気持ちで接することができるようになっていた。


平穏な日々は本当にあっという間に過ぎていく。

そしてとうとう明日、3月16日、午後1時28分の便で紀紗はドイツに向かう。