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今日から学校が始まる。

紀紗にはこの関係を壊したくはないんだって言ったけど、告白したってことはこの関係を壊してでも、俺の気持ちを聞いてほしかったからなんじゃないかって最近思い始めた。

だとすると…俺って相当勝手なやつだ。

言うだけ言って、でもこの関係以下にはなりたくないとかって…
都合よすぎるだろ?
そりゃ紀紗も逃げていくのが当然だ。



「ゆーやっ!!」

「いってぇ…
って美咲か…おはよ。」

「なーに辛気臭い顔してんのよ!?
今日から理由なしに紀紗に会えるじゃない!!」

「理由なしで会えねぇっつーの。
俺がわざわざあそこに出向かなきゃな。
紀紗は俺たちの授業に混ざったりはしないからな。」

「でもさ…
練習室行けば会えるわけだしさー。
学校ないときのほうが会うのに理由が必要じゃん!?」

「まぁそりゃそうだけど。」

「なんか全然乗り気じゃないね?
会いに行く気…ないの?」