「普通、高校生男子が、好きでもない女の子がいる音楽室に通ったりしないわよ。
まぁ悠夜くんもちょっと…いやかなり鈍そうだから、本人に恋愛としての『好き』の自覚がなかったでしょうけど。」

「…。」

「まさか…
あんたそんなことにも気付かないで一緒にいたの?」

「だって…誰もそんなこと言わなかったし。
私、その人の口から出た言葉しか信じないし。」

「で?今日のクリスマスパーティーでコクられたってことでいいわけ?」

「ちが…コクられてなんか…」

「はいはい。
で?なんて言ったの?」

「なんも言ってない。」

「は…?」

「なんか…」

「なによ。早く言いなさいよ…」

「…。
に…げてきた…」

「はい?」