「今日はとりあえずここまで。
私は主に皆さんの課題曲の練習の手伝いをします。
今日は第一音楽室でしたが、次の授業からは第二音楽室で行いますから。
それでは皆さん、また次の授業に。」


課題曲かぁ…なんだっけ…?
てか出遅れたら目付けられるよな…。
あとで理子に確認すればいいか。


「悠夜、次の授業行きましょう。」

「おう。」

「あ!!ちょっと待ってくれるかな?柏木悠夜くん。」

「はい…?」

「放課後、ちょっと話したいことがあるの…。
特別棟の玄関に来てくれる?」

「はぁ…?」

「それじゃあ放課後に。」



笑顔を残して、松下玲は音楽室を出た。


俺の頭の中はとりあえず疑問でいっぱいだった。
どうやら次の授業は手につきそうもない。
…何故か俺は、新任教師に目を付けられた。