「ほら、帰ろう。
ってか道も教えて。」

「う…うん。」


* * *


「どした?なんか…緊張してる?」

「べ、別に…なんか妙に優しいから…。」

「いつもこんな感じだと思うけど。
次どっち?」

「そこ、右に曲がる。」

「りょーかい。」

「明日何時?」

「理子んちに6時だから、何時にしようか…」

「あ、あのマンション。私の家。」

「でかっ!!
紀紗、あんな高級マンションに住んでんの?」

「だって防音設備ついてるし…」

「あそこからなら理子んちまで歩いて20分くらいかな?」

「意外と近い…」

「んじゃ明日5時半くらいに迎えに来るから。
それまでに準備しとけよ。」

「はーい。」

「んじゃ、おやすみ。紀紗。」

「おやすみ…」