「はぁ!?翔吾まで…」

「昨日、紀紗の口から留学のこと聞いたんだろ?」

「まぁな。」

「んで、お前逃げてきたんだな?
なんにも聞かずに。」

「…。」

「今表面的に分かってることだけが事実じゃないと俺は思うけどなー」

「それってどういう…?」

「そーゆーとこも含めて、悠夜はちゃんと紀紗と話すべきだよ!!」

「早く紀紗んとこ行け。
つーか、紀紗とちゃんと話すまで、ここに来んな!!」

「はぁ?お前ら意味わかんね。」

「いつかあたしたちに感謝する日が来るって!!」

「来ねーよ!!」


来るわけない。
つーか…離すことなんて何もない。

俺は言わない。
俺の気持ちも、全部。

紀紗がドイツへ行くなら…俺は止めない。
止める理由がない。