俺は自分の気を紛らわせたくて話題を変えた。


「あのさー最近気付いたんだけど…
紀紗ってこの曲よく弾いてるよな…?」

「そうかなぁ…?」

「うん。俺が泣いた曲もこれだし。
もしかして、なんか思い入れとかあんの?」

「う…ん。まぁ…。」

「良ければさぁ…
話してくれない?」

「うん。いいけど…
別にたいした話じゃないよ。」

「いいよ。
俺が気になっただけだから。」

「何から話せばいいのかな…?
あのね…この曲…
最後の曲なの。」