* * *

俺は今までにないくらい本気で走った。
もちろん行き先は…8番練習室。


「紀紗!!あけ…てくれ!!」


思いっきりドアを叩いた。
びしょ濡れで、しかも走ってきたから息が上がりすぎてる。


「………。」


返事はない。
だけど確実にいる。
ドアごしに君の影が見える。





「あけ…なくて…いい…から、話だけ…でも…聞いて…くれないか…?」


何も言わない。