「………夏……実夏」

「……んっ」


薄く目を開けると、車が停止している。


「着いたぞ」

あたしは陸人の手を握り、車を出た。



見慣れない景色。

人も少なくて、山の中?って感じの場所。



午前中に出たはずなのに、空はもうオレンジ色になりかけていた。


「こっち」

あたしは陸人についていくしかなかった。