刻々と放課後が近づいてくる。


自分で誘っておいて何を話せばいいのか考えていなかった。


無言のままただただ歩くなんて辛すぎる。

そうこうしてる内に、下校を告げるチャイムが鳴っていた。



「実夏帰ろー」

青葉が鞄を持ってあたしの机駆け寄って来た。

「ごめん。今日はちょっと……」

「なに?なんかあんの??」

「うん、まぁ……」


青葉には言ってない。

日比谷と帰ること。