そして、私はあの脇道のそばにさしかかった。



どんなに急いでいても、あの道はもう二度と通るつもりはない。



私は大通りを家へ向かって急いだ。



どんっ



「きゃっ!!」



誰かが私にぶつかって、脇道へ走っていった。



「なによ、もぅ」



ぶつかったのを謝りもせずに走り去ったのは、若い男のようだ。



すると、その男が慌てて脇道から出てくるではないか。



不思議に思いながらも、私は通り過ぎようとした。