千鶴が部屋から私の荷物を持って来てくれた。


服を着替えた途端、何回かくしゃみが出てしまった。

心配した朝本先生が体温計を持って来た。


測ってみると…微熱。


「雨に濡れたせいね…。今夜は、ここで寝なさい。」

朝本先生は優しく言うと、体温計を持って部屋を出た。


「じゃあ私も部屋に戻るね!ゆっくり休みなよ。」


千鶴は、にっこり笑って戸を静かに閉めて部屋に戻っていった。


ただでさえ、みんなに心配かけたのに…熱まで出しちゃったよ…。


ため息をつきながら、布団に横になって天井を見つめた。



“トントン”



朝本先生かな…?



「愛菜、大丈夫か?」



「入江先生!」



びっくりして布団から飛び起きそうになった。


先生は戸をそっと閉めると、布団の横に座って私の顔を見た。