宿の前まで来たら、私は先生の背中から降りた。


もう立てるようになっていたし、さすがにおんぶされたままで、入って行くのは恥ずかしい。



私は、ゆっくりと先生と一緒に宿に入った。



「愛菜〜っ!!」



千鶴が泣き出しそうな顔をして抱きついてきた。



「ごめんね、心配かけちゃって…。」



「そうだよ!ものすごく心配してたんだから!!」



「本当にごめんね。」



何回も謝った。



他の先生方や宿の人にも同じように謝った。


あーあ…色んな人に迷惑かけて、私…最悪だよ…。



「あの、朝本先生!三咲…雨でだいぶ濡れてるんです。早く着替えた方がいいと思うんですけど…。」



先生が私の肩に手をのせた。


「…本当だ、愛菜びしょびしょじゃん。早く着替えないと!」



朝本先生と千鶴に連れられて、私は先生たちの部屋の隣の部屋で着替えることになった。