「組んだ…というか、組まれたんだ…。あの時、雷鳴ってたろ?湊井先生に雷が怖いって言われて腕つかまれてさ。少し歩いて行ったところで、離してもらったけど…。」



「じゃあ私が見たのは、ちょうどその時だったんですね…。」



「…そうみたいだな…。ごめんな。愛菜に嫌な思いさせちゃって…。」


先生は、申し訳なさそうな声で謝った。



「すいません。私…妬いてばっかりですね。」


正直、自分がこんな風に焼きもちやくなんて、思わなかった。


それだけ先生が好きだってことなんだよね…。



「…言っておくけど、俺が好きなのは愛菜なんだからな!」


力強い先生の言葉が私の心をくすぐる。



数時間前まで、不安な気持ちだったのに、今は笑顔の私がいる。



目まぐるしく変わる私の気持ち。



だけど恋って、素敵だな…。



先生の背中に揺られながらそう感じていた。