「なんだ…、愛菜すごく軽いじゃん。」


先生は重さを感じないかのように立ち上がった。


私は、先生が濡れないように傘をさした。


「…先生、嘘つかなくてもいいですよ。重いって自覚してますから…。」


「嘘じゃないよ。」


声の振動が背中を伝って私に届いてくる。


穏やかな声…。





「あ…さっきの話の続き…だけどさ、湊井先生の話…。」


そういえば、まだ何も聞いてなかったっけ…。



「実は、道を下った所にあるコンビニに買い出しに行ったんだ。女性1人じゃ危ないんじゃないかってことで、俺が選ばれたんだよ。」


買い出しかあ…。


「…でも、湊井先生と腕組んで歩いているように見えましたよ…。」


一番聞きたいのは、そこだった。