「あ!そうだ…。先生、私の試合も見てくれたんですね。ボール拾ってくれたのが先生だった時はびっくりしました。」



「俺ばっかり応援してもらいっぱなしだからな。俺も応援したかったし…。でも逆に緊張させちゃったみたいだな。」



「確かに緊張したし、張りきって空回りしたけど、先生が見てくれてたのは、すっごく嬉しかったです!」


「本当に?良かったあ…。」



先生のほっとする表情に胸がキュンとなった。



この表情を独り占め出来る私は幸せ者…。



心が明るくなる。




「去年、俺、愛菜にボール当てちゃったんだよな。痛かっただろ?本当にごめんな。」



急に先生が去年のことを話した。



「あっ…。すぐに痛みもひいたし、大したことなかったんですから気にしないで下さい。」



それに、あのハプニングがあったから、先生と話も出来たんだもん。



私にとっては幸運だったよ。



「この辺だっけ?当たったところ…。」


先生が私の前髪を掻き上げた。



そして、おでこに軽くキス…。



温かいキスに、溶けちゃいそう……。