「でも、どうして隠れていたんだ?」



「それは…」



私は、優人が対戦相手のチームとしてコートにいたこと、秘密がバレるのを危惧していたことを話した。



「そっかあ…。優人君まだ知らないのかあ…。」



「はい…、時間の問題かなあ…とも思うんですけど…。」




「愛菜、顔に出やすいからな。」



ニヤっと先生が笑った。



「先生ってば…!私、気にしてるのに…。」



少し口を尖らせた。



「愛菜、怒ってる顔初めて見たっ!すごく可愛い!」


えっ…!?可愛いって言った…!?



ズルいよ…。



そんな風に言われちゃうと、怒っている気持ちがすぐに消えて、逆に嬉しくなっちゃうじゃん……。




「“顔に出やすい”って言うのはごめん。でも俺は、それぐらい素直に生きてる愛菜が好きだからさ。」



ほら、また…。



素直なことだって、時にはコンプレックスに感じているのに…。



先生に“好き”って言われると、素直でいようって思う。



先生の一言一言で、私は表情も気持ちも変わっちゃう。



いつも思うけど、先生の言葉は私にとって魔法の言葉なんだ…。