エドワード国王には後見人が居た。分かりやすく言えば、影の支配者である。
そもそも八歳で即位したエドワードに政務をこなす力量があるはずもなく、後見人として選ばれた枢機卿たちによって国政が取り仕切られていた。
そうなれば、当然のごとく国王をも凌ぐ権力者が出現する。
それが、後見人の一人、ジョン・ダドリーであった。
いよいよエドワード国王の様態が深刻となったある日、ジェーンの父はジョン・ダドリーの肩を叩いた。
ジョンには数人の息子がいた。しかし、例え王室の権力を握っているとは言え、王家の血筋でもない自分の息子を次期国王に据えることはできない。
もしこのまま王が崩御し、第一王位継承権を有するメアリーが復権すれば、今の自分の地位は失墜する。それを防ぐには、王族の血をダドリー家に取り入れるしかない。
ジョン・ダドリーはそう考えていた。
ジェーンの父は言った。
「我妻は先王ヘンリー八世の妹であり、我が娘は先王の姪に当たります。どうかジェーンをご子息の妻としてお迎え下さい」
そもそも八歳で即位したエドワードに政務をこなす力量があるはずもなく、後見人として選ばれた枢機卿たちによって国政が取り仕切られていた。
そうなれば、当然のごとく国王をも凌ぐ権力者が出現する。
それが、後見人の一人、ジョン・ダドリーであった。
いよいよエドワード国王の様態が深刻となったある日、ジェーンの父はジョン・ダドリーの肩を叩いた。
ジョンには数人の息子がいた。しかし、例え王室の権力を握っているとは言え、王家の血筋でもない自分の息子を次期国王に据えることはできない。
もしこのまま王が崩御し、第一王位継承権を有するメアリーが復権すれば、今の自分の地位は失墜する。それを防ぐには、王族の血をダドリー家に取り入れるしかない。
ジョン・ダドリーはそう考えていた。
ジェーンの父は言った。
「我妻は先王ヘンリー八世の妹であり、我が娘は先王の姪に当たります。どうかジェーンをご子息の妻としてお迎え下さい」