ツインルームとはいえ、部屋はさほど広くはなかった。

ベッドが二つと丸テーブル。

椅子が二脚。

あとは帽子掛け、ローチェスト、サイドボード、姿見。

家具らしい家具はその程度だ。

丸テーブルには灰皿の他にティーカップが二セット置かれていた。

ローチェストを見ると、ティファールの湯沸かし器とティーバックもあった。

歩くと床がギシリと鳴った。

カーペットを軽くはたくと、一斉に埃が舞い上がった。

「すっかり夜だね」

木組みの窓を数分かけて押し上げると、肌寒い夜気が流れ込んできた。

「そうね」

荷物を部屋の隅にまとめながら、シロナが窓の外に目を向けた。

いつの間にか、外はもう真っ暗だった。