「喉が渇いたわ」とシロナが言った。
ビクトリア駅でバスを降りた僕たちは、早速自動販売機を探したが、ついにそれらしいものを見つけることができなかった。
それどころか、この街には看板やネオンといった類の物がほとんどなかった。
街の条例だろうかと首を傾げる。
もっとも、あの瞼に焼きつくような毒々しい明るさを好きになれない僕にとって、それはとてもありがたいことではあった。
結局僕たちは公園の隅で見つけた露店でダイエットペプシを二本買い、それを飲みながら歩くことにした。
「ねぇ、リージェントストリートまであとどれくらいあるの」
「さあ」
僕は曖昧に返した。
地図を持ってはいたが、肝心の距離標が記入されていないのだ。これでは正確な距離が分からない。
感覚的にだけどと注釈し、ここまで歩いた距離と要した時間から、あと十五分くらいじゃないかと僕は答えた。
「そっか」
シロナは両手を水平の伸ばし、石畳の街路をタタッと歩いた。
三歩に一度、枯葉を踏む音がした。
ビクトリア駅でバスを降りた僕たちは、早速自動販売機を探したが、ついにそれらしいものを見つけることができなかった。
それどころか、この街には看板やネオンといった類の物がほとんどなかった。
街の条例だろうかと首を傾げる。
もっとも、あの瞼に焼きつくような毒々しい明るさを好きになれない僕にとって、それはとてもありがたいことではあった。
結局僕たちは公園の隅で見つけた露店でダイエットペプシを二本買い、それを飲みながら歩くことにした。
「ねぇ、リージェントストリートまであとどれくらいあるの」
「さあ」
僕は曖昧に返した。
地図を持ってはいたが、肝心の距離標が記入されていないのだ。これでは正確な距離が分からない。
感覚的にだけどと注釈し、ここまで歩いた距離と要した時間から、あと十五分くらいじゃないかと僕は答えた。
「そっか」
シロナは両手を水平の伸ばし、石畳の街路をタタッと歩いた。
三歩に一度、枯葉を踏む音がした。