このどこだかもよく分らない深緑の森の奥にやってくるのは、みな酔狂で一風変わった動物ばかり。

葉ずれの音一つしない深い森。その中にボゥと怪しく光る少し擦り切れたログハウスが建っていた。

名前はない。

面倒だし、周りには何もないのだから、名前を付ける必要もないのだろう。

『星空レストラン』

などと呼ばれることもあるらしいが、それはそれで悪くない。

ここいらの空気は凛としていて、がらんとした店内からテラスに出れば、星空を鑑賞できるのは本当のことだ。

なんで僕がそんなことを知っているのかは分からない。

考えても仕方ない。

夢なんてのはそういうものだ。

夢の中で僕は、そんなことを呟きながら夢を見る僕を見下ろしている。