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鳥居をくぐると、境内に向かって続く真っ直ぐな砂利道に、僕の長い影が伸びていた。

かしましい蝉の鳴き声が、夕焼けの空をいっそう寂しげに染めていく。

もうすぐ夏が終わる。

大好きだった季節が、通り過ぎていく。

僕は足下の小石を拾い、それを高い鳥居の梁に向かって思い切り放り上げた。

小石は細長い弧を描き、金色の田んぼに吸い込まれて消えた。