『いいの?本当にこの道で合ってる?』

『大丈夫だよ』

『あ、待って!』

『着いたよ。ほら見て!』

『……すごい!まるでブレイドゲートのヒースの野原みたい!』


僕の中に、早紀と過ごした十年前の記憶が蘇っては消えた。



『愛してるわ』



と、どこかで早紀の声がした。


「早紀……」

ずっと堪えていたその名前を呼んだとき、僕の頬を涙が伝い落ちた。