僕のせいだと思った。

『護ってやる』って言った言葉も、あの時の自信も、僕には全部嘘で塗り固められた幻でしかなかった。

僕は護れなかった。

愛していたのに。

早紀のことを誰よりも理解していると思っていたのに。

僕には、早紀の本当の気持ちが最期まで分からなかった。

早紀は一人で逝った。

僕に何も語らず、一人ですべてを抱えて死んでいった。

悔しかった。

「なぜだ」と何度も叫んだ。

それでも答えは見つからなかった。

会いたい。会って早紀を抱いていたいと眠れぬ夜を過ごしても、けして早紀は戻っては来なかった。

話しかけてもくれなかった。